良いと思う政策、その理由3つ

いつもOnevoiceCampaignなどでお世話になってるivoteさんの企画に乗って書いてみる。

必ずしも今回の選挙でというわけではないが、個人的に重要だと思うのは下記の3点である。

  1. 道州制の導入-道州制を導入すべき
  2. 参議院廃止-参議院を廃止すべき
  3. インターネットを利用した選挙運動の解禁をすべき

今回、あえて良い政策。というよりは関心を持ってもらいたい政策を挙げている。

なお、道州制の導入、参議院廃止については、私が制作を手伝っている、日本版ボートマッチhttp://votematch.jpで採用されている争点である。ぜひおためしいただければ。(ステマ

ネット選挙解禁は、votematch.jpでは採用されてないが、onevoiceキャンペーンを通じて、訴えてきた争点である。必ずしも生活に変化を与える実効的な争点でないものの、今後の日本の民主主義や政治文化を考える上で、多くの人に振り返って考えて欲しいことだ。
これらの3つの政策に共通するのは、少し大げさに言えば、政治や統治機構そのものの設計に関するものであるということだ。所得や各種資源の再配分政策や様々な規制といった日常的な生活に直接影響するような争点ではないが、そのような政策を決めるための制度や仕組みが重要でないかと感じることが多々ある。

たとえば、多くの識者により指摘される、強すぎる参議院の問題。今回の選挙では自民党の圧勝が報道されているが、衆院で3分の2で再可決するだけの議席が得られなければ、新政権の運営は前途多難な船出となることは必須である。なぜなら、連立を組むと見られる自公では、参議院過半数に満たず、参議院の国会運営が容易ならざるものになるからだ。

参議院選挙制度は、都道府県を選挙区とする146議席と、比例代表からなる96議席が、3年毎に改選される。特に、選挙区は東京の5人区から、3人区の5選挙区、2人区の12選挙区、1人区の29選挙区とバラバラな定員になっている。この定員のばらつきが曲者で、3人区の2議席分と2人区は事実上2大政党の指定席となっている。また、比例区は中小政党に表が分散する傾向にあるなどの事情もあり、第一党が過半数を確保することは相当の高いハードルを与えている選挙制度となっている。そのような野党優位になりがちな参議院に対して、強い権限を与えている国会という制度は、結果として決められない国会を生むことにつながってしまう。

このような制度上の問題は、一度の選挙や投票だけで改善される問題ではない。また政治家にとって、選挙制度や議会制度は自分たちのルールであるから、仮にそれが望ましいとしても、自分たちの不利なルールを採用する動機、インセンティブを持つことを期待することはなかなか難しい。しかも、参議院改革のように、憲法改正が求められる問題については、この国の主に9条をめぐる憲法改正アレルギーからして、絶望的な気持ちになる。

このような政治をめぐる様々な意思決定について、その意思決定を支えるルールや制度をよりよいものにしていくことは、政治そのものの品質を高めていく上で極めて重要だろうと思う。いい例えが思いつかないが、無理やり自動車で遠隔地に行くことに例えてみると、意思決定のルールや制度は、自動車そのものの性能である。一方、実際の政策は自動車をどのように運転して目的地に行くのか?ということがあてはまる。つまり、エンジンが小さく、スピードの出ない車で遠くへ行くのは無駄が多いが、高性能なエンジンを積んだ自動車であれば、より効率的に目的地へと達することができるようなものだ。しかし、現実的には、効率の悪い自動車に乗りながら、右に行くべき、左に行くべきと論じていると、向かうべき方向性ばかりに気を取られて、乗るべき自動車の選択という大事な問題に関心が向かないことがあるように思える。

それは、現実の政治で言えば、政治に対する要求や不満が高まり、それがあたかも選挙で投票することで解消するかのような考え方に立っているようなものだ。しかし、より政治的意思決定の品質を向上させるという問題を、効果的に解消すべきために、乗るべき自動車の高性能化であり、政治や意思決定を支える制度的な問題の解決が求められていると思う。しかし、そのことが争点として検討される機運はなかなかやって来ないようだ。そんな気がするから、あえて、統治システムに関する3つの争点を挙げてみた次第である。

この選挙を通じて、みなさんが政治に関心を持ち、よりよい未来が訪れることを期待している。

※この文章は学生団体ivoteの企画「#政策分析ブログ」 の一貫として書きました。