単純作業

とあるプロジェクトのピークで、学生にバイト作業をお願いしている。
基本的に単純作業。
されど、単純作業。

知的なホワイトカラーの基礎的な体力レベルの話として、とある情報を集めて、整理し、検索可能な状態にしておくことは基礎中の基礎。

実際、卒論の段階になって、驚くほど単純作業が苦手な学生が多い。
まず、丁合のコピーがとれない。ADF(自動紙送り装置)が使えない。
これは就職後を考えるとため息がでる。

エクセルで何か情報を整理するという作業の時に、エクセルが満足に使えない。
行データの仕分けに色分けを使ったりする。そうすると、TSVに変換するなどの方法で、他のアプリケーションとの互換性がとれないことまで考えられない。また、基本的にエクセルのデータは一テーブルなので正規化すべきではない事を理解していないとか、簡単なエクセル関数も知らなかったり。
そんなこともわからず、使う奴が多すぎる。

もちろん、使ったことがないから、教えてないから、という言い訳は簡単だ。
しかし、使ったことがないというのは、単に知的な、情報産業的な、ホワイトカラーの基礎的な仕事と無縁だったという、知的単純労働における自らの環境の貧しさを証明しているに過ぎない。

そういうことを考えると、バイトにもいろいろあることがわかるだろう。

今の仕事は、webから、特定の政策情報を抜き出して、XMLを手作業で作るという仕事やアンケート結果を入力する仕事。事実、地味で面倒だが、コピーの取り方、データの定式化とイレギュラーなデータに対する処理をどうするのか、というノウハウは教えられる。
また、そういう基礎的な繰り返し作業は、awkやexcelVBA等の便利さ、データの標準化の価値を痛感する上では欠かせなかったりする。

マックでポテトを揚げるような単純労働と、情報を集めて検索可能にする単純労働。

同じ単純労働でもそれに伴って身に付く能力にはずいぶんと差がある。
学生の皆さんが将来も続けたい仕事はどちらなんだろうか。