学生から見たIT産業

とある面白そうなシンポジウムがあったらしい。

内容であるが、IT産業、IT企業、IT技術者というくくりが広すぎて、何を話せばいいのかよく分からなかった。結局、討論会の内容もぶれてしまっていたと思う。パネリスト3人は、NTTデータの元社長、TISの社長、IPAの理事長という、IT産業というよりSIerの人気がないことについて語りたいだけなんじゃないかという顔ぶれだったし、もっと明確にテーマ設定をすべきだったと思う。

主催側から、学生には忌憚のない意見を言ってほしいということが伝えられていて、みんなそれなりに突っ込んだ質問をしていたと思うのだけど、パネリストが論点をずらしたような回答ばかりするので、ちょっと気持ち悪かった。本当はもっと突っ込みたかったけど、時間が70分と短かったので、中途半端な感じで終わってしまった。

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書生さん:「総論として大学がこれまでのアカデミズムから踏み出して,産業界の知見を授業に取り入れようという取り組みには賛成ですよ.だいたい,これまでの大学が産業と遊離してきたんです.けれどもひとことにリーダーと言っても,スーパーハッカーみたいなのを想定するのか,もうちょっとバランス感覚を持ったビジネスパースンを育てるのか,どっちなのでしょう.

総体的にいえば、日本企業の文化的背景、特にサービス業で顕著に現れるある種の非合理性が、ソフトウェア産業がサービス化したときにいろいろな側面で浮かび上がっているような印象を持つ。
特に、ダウンサイジングとネット対応という激震に揺さぶられてきた業界なら、なおさら。

それにしても、皆さんSIerの話がお好きだなという感じを受ける。
まあ、業界的に売上が大きいから、日本の業界を考える上で避けては通れない。ということなのかもしれないが。

個人的にはその「業界」という発想がなんだか昔の通産省的な臭いを感じるのでどう?なのかなと。
いまさら、日本の日の丸ITとして自然に名前が浮かんでくるいくつかの会社が、今からとってもすばらしい技術やサービスを開発し学生のいや日本の未来を託すような希望を集める企業になるとでも言うのだろうか。
もちろん、その可能性は否定しないけど、別に、日の丸IT会社である必然性もないというか。
学生の希望を集められない会社は衰退して、元気な会社に取って代わられるだけだと思う。

しかし、そう考えたい私の単細胞な脳みそに重くのしかかるのは、失われた10年で見てきた歴史である。なにしろ、ここは「大きすぎて(その企業を)つぶせない」という政治的合意が成立する国なのだから。だからこそ、SIerと呼ばれる大手の会社の考え方に興味を持たざるを得ない。トップの重鎮は頑張って下さい!。というのであれば、これこそIT共産主義か(w)。

だから、あまり大手ブランドにこだわらず、もっと自由な発想で、新しくできた企業を応援したほうが生産的なのではないか。ネット事業を中心として、東証一部に上場した企業だっていくつもあるのだから。