本当は怖いインターネット投票

先日、とある事情により、インターネット選挙の事を調べました。
その結果が面白かったのでご報告。(タイトルはネタと言うことでご容赦ください)

エストニアはIT立国を目指しているバルト三国の1つですが、2007年2月にインターネットを利用した国政選挙を行ったことで知られています。

http://slashdot.jp/security/07/02/22/2258214.shtml

当然認証が問題になるわけですが、エストニアでは国民の大半がICチップの入ったIDカードを保有しているそうな。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20070423/269245/

その選挙ですが、管理団体(選挙管理委員会みたいなもの?)
http://www.vvk.ee/engindex.html
によると、総投票数555.463票のうち、30,725票がインターネットから投票されたそうです。その割合5.4%。

ちなみに、同選挙の投票率は61.0%、前回(2003年)は58.2%,前々回(1999年)は57,4%とのことです。一概にはいえませんが、2,3%の投票率向上が期待できるのかもしれません。

さて、驚くべきはその中身。下記は得票率上位3党の投票方法別の得票率です。ちなみに中央党は改選前の与党でした。改革党は第2党で、めでたくこの選挙で第1党に躍り出たという結果でした。

政党名 ネット投票の得票率 通常投票の得票率 投票全体
改革党 34.5% 27.4% 27.8%
中央党 9.1% 27.0% 26.1%
祖国共和連合 26.7% 17.3% 17.0%

与党だった中央党のネットの得票率が9.1%とふるわなかったことは注目に値すると思います。(ちなみに、票数的にはネット投票が存在しなくとも改革等が第一党だったのですが。)

日本でネット投票が実現したらどうなるか楽しみですね。セキュリティ面の心配もありますし、現実的にはICカードの普及がネックになると思いますが、自宅から投票できるというだけで、投票する人は増えるかもしれません。