授業の感想の感想

私の講義では感想等があれば、自由にメールで送ってもらうようにお願いしています。
その中で、「政治を身近に感じる事が大事です」という講義(のオリエンテーション
に対して、

その政治が行われている中に居る私たちも又、「政治」の参加者であると感じられる。また、自分で動くことによって、結果を変えることもできるかもしれないと思えるようになった。

と感想を書いてきてくださった学生に対するコメントを公開します。

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最近この年になると、
なんて世の中”いいかげん”にできているんだろう。
と思うようになりました。

というと少し語弊があるのですが、
むかし、まだ今よりわかってなかった頃は、
もう少しリーダーになる人はまともで思慮深くあるという
幻想のようなモノをいだいていたような気がします。

誤解があるといけない。
それぞれのリーダーはちゃんと自分なりに考えて、
最善を尽くしている。
ただ、人間個人が獲得できる能力には限界があるし
それぞれの能力に応じて、ちゃんと考えている。

ただ、そのリーダーの働きぶりを評価するときに
当然の事ながら、評価者の能力に影響される。
特に、評価者がある程度知識がある分野については、
みな自分ができることを他人も当たり前にできると考える。

ただそれは多くの場合傲慢であって、
自分には評価できないリーダーは
自分にはない能力を持っている。

だからできる限り慎重に他人、とくにリーダーの評価というものは
なされなければならない。

その点で、常にリーダーは本来あるべき評価よりも
低く評価されることが多いと思う。

「世の中が”いいかげん”にできている」というのは、
そういう誤解を含んでいることは承知した上で、
さらにあえて言えば、、
自分なりに政治や意思決定を学んできて、
一般的なリーダーがもう少し組織マネジメントや
経済学の初歩的な原理を理解しているという期待があった。

だが、それは案外かなわないことだ。
ということがわかりつつある。

少し戻り、常にリーダーは低評価を受ける事について、
もう少し考えたい。

私の言いたいのは、
だからといって、何らかの指導を受けるであろう、
若い皆さんが、評価の低いリーダーに隷属すればよい。
とは限らない。
自分が尊敬できない、見切りをつけたくなるリーダーであれば、
あわないと考え、自分が従うリーダーを適切に選ぶことが大事だと思う。

あるいは、それを選べるような制度が望ましいと思う。

だからこそ、自分がリーダーを選べるようにならない
非民主的な制度は改善されるべきだ。と思う。

授業の感想をもらって、
自分がインターネットで少し政治が変わるといいな。
と思っている原点はその辺にあるような気がしました。