近代化と神話

3.11を迎える前は、その危うさを見てみないふりをしつつ、欲しい時に欲しい電力を目一杯使ってきたけど、あの日以来安全性を重視する世論に一変した。ただ、科学的には3.11の前後で原発の安全性(事故の発生確率)が変わるとも思えないことを考えると、かつてのあの日々が懐かしくて、羨ましい感じすらする。それだけに、事故を起こしてしまった(自分を含めた)様々な環境が憎い。

もっとも今後の我々は、原発にかぎらず、近代化(現代化)の過程の中で、作られた様々な「物語」や「神話」(特に日本固有っぽいもの)が少しづつ崩壊していく過程を、否応なしに見せつけられる気がする。というか、すでにそこまで来ているのではないかと思う。
個人的に崩壊するかもしれないと思う「物語」や「神話」のリスト。
「終身雇用」「年功序列」「経済発展」「日本型ものづくり」「日本型経営」「大卒資格による高収入保証」「標準的な家庭」「結婚適齢期」「福祉社会」「国民国家」「メディアの公共性」「日本人の優秀さ(チームワーク)」「日本経済に対する信頼」「お上的意識(市民としての義務を果たさなくても、政府に頼る感じ?)」等々。
反面で、はじめからそういう神話を信じてない人にとっては良い時代になるのかも。