オープンな愚痴

学生の就活がピークである。
にもかかわらず、志望動機がかけない、自己紹介がまとまらないという相談を受ける。

さすがに私も何年も同じようなことをしているので、学生と少し話し合いをすると、いろいろな見方が出てきたりする。そういうのを文章にまとめたりすると、まあまあイケてる自己紹介ができることもある。

しかし、まだ余裕があるときに相談に来るのは良い。私が不満なのは、締切間近になって相談しに来る学生である。私にしてみれば、半年前から自己紹介と志望動機をかくよう指導しているのにもかかわらず、ほとんど何の準備もしない学生がいるということである。

もっとも、本人にしてみれば必死に考えているだろうことは、一指導者として想像つく。
あくまで、本人的には、考えてはいるが、文章として表出されない。出てこない。

だが、それが考えているといえるのだろうか。
残念ながら表出されないものは評価できない。

結局志望動機をちゃんと書けるかどうか?というレベルで、セレクションが強くかかっているのを実感するのである。
そして、そのセレクションをクリアするには、指導者の言うことを聞いて、勧められている就活本のワークシートを少しでもいいからやってみればいいのに、それができない。

結局行動としてみると、「言うことを聞けない人」と言われてもやむを得ない。そうやってチャンスを落とす若者が後を絶たないとすると残念だ。

いうことを聞かない結果、あとで困る。本人ばかりでなく、指導者も困る。だから、言うことを聞かない人にはしかるべき段階でもう一度チャンスを与えるのがベストだと思うが、なかなかそういうことも難しい。

悪い日本を作ってる自覚

先日、前途有望な若者に出会った。映像制作の会社を経営しているとのことで、映像を使って地域の魅力を発信するような事業を通じて、日本を良くしていきたいという。
そのストレートな野望に少しくらくらすると同時に、私も10年ぐらい前ならそういうことが自分でも考えられたかもしれない。などと、勝手で不遜なことを思う。

素直に、そういうピュアな野望が抱けることが羨ましい。
しかし、現実には、様々な「訳のわからない」障害が存在して、そういう野望の邪魔をするものだ。
特に、この国の組織を取り巻く環境はなかなか厄介な問題を抱えている。そして私はこの年になって、山本七平的な「空気」の怖さがよく分かるようになってきた。

組織の空気の興味深さという点では、私の観察する組織において、事例にはこと書かない。民主党もその一つで、政権交代から2年半がたち、いま何かを語ろうとすると、大変残念な印象しか語られないのが一般的だろう。しかし、中の人にいろいろ話を聞いてみると、案外中の人はそれなりに頑張っている。個人はそれなりに頑張っているんだけど、組織全体としては残念なパフォーマンスにしかならない。そんなケースが多いような気がするのだ。

あんまり大きな声では言えないけど、私の所属する組織もそんなところが大きい。というか、若い人から「なんでそんなことをしているのか?」と尋ねられた時に、一担当者として自信を持った回答ができないことがかなり存在する。

まあ多かれ少なかれ、組織というのはそういう側面があるのは否定出来ないのであって、やむを得ないことも多いのだが、そういう案件に関係していると、不条理や理不尽の増大に一役買っている気分になってしまう。もちろん、不条理な案件に接した時に、関係しないよう、あるいは直接的に反対するようにすれば、一役買うこともないのかもしれないが、それでは組織が回らないことになる。

そうして、私は「訳のわからない」障害を創りだす側にいつの間にか回っているのである。これははっきり言って、先の若者からしたら十分に敵陣側に配置されているのかもしれない。はっきり言うと、このエントリの標題のような自覚が自分にはある。

でも、私の経験からすると、明らかな不条理はそれほど長く続かない気がする。(もっとも、そういう感触を得る経験をしてきたのは運が良かったのかもしれない。とも思っている。現実には、なかなか壊れない不条理の中で困っている人も多いのだろう。)特に、経済的な不条理というのは、案外早めに破綻をきたすことが多い。

だから、楽観的に言えば、若いピュアな野望家はあっさりと勝利を得て、「訳のわからない」組織に拘泥していた側は、案外そそくさと負けてしまうような気がする。というか、そうだったら良いな。という希望的観測かもしれないけど。

菅代表再選

久々のブログ更新ですみません。今回の代表選について思うところをつらつらと。

代表任期の提案

自民党の総裁選挙を倣って作られたと考えられる民主党の代表選挙であるが、政権与党になり代表が総理大臣を務めることを前提にしたシステムとしては問題がありやしないか。現在の代表選出の仕組みでは、前任者の残りの期間を務めるという規定になっているという点がもう少し議論されても良い。

ちなみに、民主党代表の任期は2年であり、慣例的に臨時国会が開催される9月を起点としている。ただし、「任期途中で代表が欠けた場合」は前代表の残期間が任期になる。というのが基本的ルールだ。なお、「任期途中で代表が欠けた場合」の選出方法は両院議員総会による議員投票のみによる場合と代表選挙規則に基づく選挙の両方がが選べるはずだが、これまで代表辞任に伴う選出で正規の選挙が行われたことはない。その結果、党員・サポータ票を含む正規の選挙によらない新代表では正統性に欠けるから、残任期の終了とともに正規の選挙を行うという理屈は一応筋が通らないでもない。だが、今回のように名前も覚えられないうちに、総理大臣がどんどん変わっていくご時世にそのような制度で国益に叶うのかどうか?という疑問は残る。
おそらく両院議員総会による決定を行う最大の理由は投票の手続き的コストだと思う。ならば党員・サポータ、地方議員による電子投票を導入しても良いのではないだろうか。
その上で、代表辞任に伴う選出は正規の選挙のみ委ねて、その上で代表期間をせめて残期間+1年程度の制度にしたらよいのではないかと思う。
もっとも、総理が交代するような事態に至るにはいろいろな事情があり、やむを得ないケースがあるのも致し方ない。今回鳩山氏が辞任したケースは、本人の政権運営の能力はともかく、外形的には連立離脱という事態に陥った以上まだやむを得ないケースになる気がするのだが。

小沢氏の立候補には驚く

個人的には小沢氏の立候補は全く想定外だった。shuugi.inでは次期総理大臣を予測するマーケットを準備しているが、菅総理の就任に伴う次期総理市場では、小沢氏を銘柄としていなかったのは失敗だった。

しかし、後付ながらいろいろ考えてみると、小沢氏の立候補には民主党に取って、あるいは小沢氏自体に一定の合理性があるような感じがする。
最大のメリットは、民主党によるメディアジャックにより他党の存在感を消滅させたことだ。代表選中に自民党は石原幹事長、小池総務会長という比較的世代交代を意識した人事を行ったが印象は薄くなった。
さらに、あれほど選挙上手な小沢氏がいま自分が選挙で勝てると思っていたとも考えにくい部分がある。とすれば、負け戦前提で考えていたとすると、明らかに菅総理の次を見据えた戦略であると考えるのが妥当ではないだろうか。国会運営の困難な菅体制が長く続くとは考えにくいという事情もある。今後の強制起訴次第のところもあるが、それが無難にヤマを超えた場合に、自分の番が回ってくるという解釈も可能だ。さらに、このまま何もしないよりは、自らの政治的影響力も一定の範囲で担保されるだろう。だが個人的には小沢氏はそういう政局を見ながらも、民主党全体、つまり菅総理の政策遂行に一定の疑問を感じていたのも事実だろう。世論で菅総理の政策遂行能力に疑問符が付き始めたこともそれを後押しした。直接批判した小沢氏に限らずとも、菅総理の予算10%削減という方針はいかにも従来の財務省的なやり方で、政治主導を主張していた民主党からすれば後退と受け止めざるを得ない側面がある。さらに、小沢アレルギーの強いと報道されている執行部から小沢グループのメンバーば排除されうるような闘争的側面が垣間見られれば、グループ(派閥)の代表として動かざるをえないのかもしれない。

民主党は分裂するか

党の分裂が一部のマスコミで話題になっているが、おそらく無いだろうし、あっても少数の離党にとどまるだろう。
小選挙区制による衆議院選挙が定着する前であれば、つまり自由党が存在していた頃の政治環境であれば、第三の政党にもそれなりに当選する余地があっただろう。だが、今日自民党民主党の全国の地域的な地盤はそれなりに拡充されつつあり、いずれかの公認候補にならなければ小選挙区を勝ち抜くことは相当難しくなりつつある。重複立候補による復活保険を含めるとなおさらだ。その点でみんなの党はどちらかと言えば自民党の支持基盤を侵食していると見るほうが妥当ではないか。自公連立が成立しなくなった公明党小選挙区で厳しいことは言うまでもない。
その点で、小沢グループに多いとされる民主党の若手が割って出たとしても厳しいだろうし、その点で離党者も限定的ではないだろうか。もっとも、今回小沢氏を支持した民主党若手にそのような合理的な発想ができるかどうかはよくわからないところもある。

菅総理の今後

代表選最後の演説を聞いても、どのような政策を取っていくのかはよくわからなかったのは残念ではある。ただ従来通り、様々な意見を取りまとめて進めていく日本的なリーダーになるだろう。それは財務省の方針かもしれないし、小沢氏の考える政策かもしれない。個人的には、菅原さんも分析しているように(参照)、構造改革路線が本来の支持層である都市部の有権者の支持をえるという点で民主党に望ましい政策だと考えるが、過去に反対したという経緯的理由に制約されて、選挙目当てに作成したマニフェストの政策を継続していくのは危うい橋のように感じる。小泉元総理のように、都市部の有権者の支持する政策を追求して、一部の国会議員を敵に回してでも世論の後押しを元に政権を進めていくのが、政権の安定という点では望ましいのではないだろうか。その点で挙党一致というポリシーは望ましくないとも言える。劇場型政治が望ましい訳ではないが、政権運営という点ではもっとも効果的な方法だろう。
これは個人的な嗜好だが、財源を捻出するための事業仕分けも必要ながら、新産業振興や行政の無駄を省くための様々な規制緩和が求められているのではないかと考えている。つまり不要な規制の仕分けが必要だ。不要な規制を緩和するのはお金もかからない。もっとも、不要な規制を手っ取り早く減らすためには、地方に権限(と財源)委譲する制度の検討が根本的な解決策の一つだと思う(もちろん制度の設計によるが)。その点で小沢氏の一括交付金化の推進という主張には、それなりに首肯する部分があった。

日本の直接民主主義政党

最近になり直接民主主義を標榜する政党が現れ始めている。
まあ昨今の日本の政治状況を鑑みるにそういう活動が盛り上がるのもわかる気もする。

ちなみに、wikipediaによると世界にはこれだけあるそうな。
http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_direct_democracy_parties

eclipseインストールのURL

http://mergedoc.sourceforge.jp/
(ただし、解凍ソフトには注意してください。)

バージョンは最新の
Eclipse 3.5.2 Pleiades All in One Java
でよろしいと思います。

くれぐれも当該ページのインストールに関する注意をよく呼んで頂きたい。

もっとも、学生用ノートにPleiades (プレアデス)を入れると動作が遅い場合がある。動作が遅くて。。という人は、下記の言語パック版を入れたらよいかもしれません。

http://www.igapyon.jp/blanco/nlpack/eclipse/index.html

ただ、JDKを入れてから。ということになるあたりが悩ましいかもしれない。
そのあたりは下記の記事が参考になると思います。
http://sourceforge.jp/magazine/08/10/20/0936240

もし、勉強会参加者でインストールなどで困った方は研究室にいらっしゃるとよいでしょう。