志望動機と自己PRを書き上げるための10の方法(2006年夏編)

わたくしのゼミでは、3年生に将来の進路を考える課題を夏休みに出しています。その結果を読んでコメントを考えたのですが、抽象的なことを行っても伝わらないので具体的な方法を提案してみることにしました。

平均的な大学の3年生だと意識の高い人は焦ってくるし、のんびりした人はあんまり(全く?)考えてないし、一番差がある時期かもしれませんね。一応いわゆる本格的な就職活動までに少し時間があるという前提で書いています。だから、(2006年夏編)としてあります。

1.これまでの人生でうれしかったことを10個書き出す。

 結局シュウカツって、他人との差異を意識するところから始まるのではないかと思っています。自分がうれしかったことや勝ち得た成功体験はその典型的な部分ではないでしょうか。

2.周りの友人や先輩後輩10人に自分が向いている業界や職種のイメージを尋ねる。(わからないと答えた人は数えない。社会人ならなおよい。)

 案外自分のことは自分でわからないものです。こんな質問をしてもめんどくさがらずに答えてくれる友達がいれば社会性があって少しシュウカツ向きな人といえるかもしれません。

3.自分の背負える責任の大きさを設計する。自分の向上心を意識する。(なければ無理しない。)

 「夢は大きく」というと格好がよいし、出世するイメージばかりが就職の理想的なゴールのように語られることも多いですね。でも現実的には出世すれば(≒他人よりお金を稼ぐには)人一倍の責任がかかってくるものです。(漠然とお金持ちになりたいから)社長になりたいと考えている人がいたら、数人以上の従業員の生活に責任を負う経営者の苦労を想像できているのか考えてみたらどうでしょうか?

4.社会との接点を作る何かを始める。

 ほとんどの学生の世界は就職活動を考える上で十分な社会的経験が不足しています。不足していなければこんなブログ読んでないでしょう。「何でもいい」というとかえって今時の学生には難しいでしょうが、自分が今以上に社会と接点を持てそうなことを始めてください。他に方法がなければ時間給をもらうアルバイトでもかまいませんが、フツーの学生像と自分との差異性を発見しなければならないあなたにとって、有効な接点にはならない可能性が高いです。個人的にはボランティアが理想かなと考えています。朝起きて家の前を掃除するとかならすぐに出来そうですね?あるいは実名ブログ*1を書き続けて、TB飛ばしまくるとか?も悪くないかもしれません。

5.親の人生設計を聞いておく。

 大学生は大人なので、特段両親他家族に相談せず、自由に進路を決めてよいと考えている人が一般的に多いです。しかし、大人だからこそ、自分の家族のことを心配する必要があります。親もいつまでも若くないし、あなたを養ってくれるわけではありません。もう10年もしたら立派に介護のことを心配しなければならないのです。次の項目ともつながりますが、そのときにあなたの人生設計の巧拙が親孝行できるかどうかに強く影響することを忘れないでください。

6.理想的な自分のプライベートな生活を妄想する。(将来の家族像、住みたい地域、ほしい収入、ライフスタイルなど)

 現実的なことが続きましたので、すこし妄想しましょう。仕事のイメージは別にして、自分が実現したい生活、ライフスタイルを空想してください。案外、そんな妄想の中から自分らしさや自分が死ぬまでにやっておきたいことが出てくるかも。

7.身近なビジネスの利益率を計算してみる。

 ビジネスを行う会社は何らかの資本を持ち、何らか仕入れた商品(やサービス)を元の買った値段より高い値段で販売することで成立しているものです。世の中には実にさまざまなビジネスがあります。平均的な大学生であれば、ビジネスにあまり関心がないので、企業のことがわからないのも無理はありません。ほとんどのの大学生の行う商取引は時給換算される単純労働ですが、会社という組織は単純労働だけで成立してる訳ではありません。いろいろな企業のビジネスモデルやその業界の競争の激しさを考えてみてください。

8.自分の知っている会社の名前をできる限り挙げる。(そして、新聞の株価欄や四季報にある企業名と照らし合わせてみる。)

 多くの学生が陥る罠として、消費者向けブランドを持っている企業ばかりに目がいく。というモノがあります。さてあなたは、何の資料もなく、どのぐらい会社を挙げることが出来ますか?その会社のリストと上場企業のリストの違いをよく認識してください。世の中にはあなたの知らない会社がたくさんあります。成熟した市場で比較的安定している事業を企業向けに行っている企業など、TVCMをあまり行わない会社のことも忘れないでください。

9.興味を持った企業の最低単位の株を買ってみる

 株を買うことが経済の勉強として効果的であることはよく知られています。(もちろん負けても授業料だと割り切れる範囲で買ってください。ここは一つ5%ぐらい下がったら思い切って売る(損切りする)つもりで。←これが難しいのですが)株のことがわからないというひとは、この際よく勉強してください。おそらくあなたは「株式」会社に就職するのでしょうから。自分の買った証券がさまざまな日々価格変動することを体感すれば、自ずと経済に対する認識も深まるでしょう。

10.旅に出る。

 さて、最後の項目です。人生計画や就業計画を立てることは、社会の中での自分の立ち位置を設計する作業です。世の中はまだまだあなたの知らないことだらけです。出来るだけ視野を広げて、満足のいく選択を出来る準備をしてください。


さて、どうでしょうか?急ごしらえだからいまいちな項目もあるけど、とりあえずゼミ生の皆さんは参考にしてください。

*1:今年あたり、長く続けているブログは案外シュウカツの強い武器になってくるかもしれない。その人となりがよくわかるし、選考の後半で効いてくる可能性あるなあ。