学生指導はどこまで踏み込んでよいのか

元ネタと全く観点は違うのだが、日頃学生と接していく中で気になるのがこの点。うちの学部でも、そろそろ後期の指導教員との学生指導シーズンに入る。制度的に自分を指導教員とする学生全員と定期的にコンタクトを取るというのは、なんだか子供扱いしているようで気に入らないのだが。
そんな私でも当然ゼミの学生には個別に対応する局面がやってくる。まだまだ発達途上の若者にはいろいろな情緒の持ち主がいる。それぞれの個性に合わせた指導、特に進路の相談のためには、どうしても家庭環境や個人的な事情の把握が必要だ。しかし、それらのこと(たいがいの場合ネガティブなこと)を尋ねるのは、相手が気にするのかも、と逆にこちらが気にしてしまうので、余り気乗りしないものだ。そもそも私のような未熟者が指導してどうにかなるものとも思えないし。その辺はむしろ私が指導されたいのに。。。
もう一つ個別指導の問題点は、どうしても質的に異なる内容を指示することにある。よく教員の発言の言葉尻だけが一人歩きして事態が混乱することがあるが、個別の学生の事情がわかればわかるほど、場合によっては全く逆の指示を出すこともあり得るのだ。それが教員との間で適切な信頼関係がなければえこひいきに思われるリスクもある。そんな危険を背負ってまで個別の指導に踏み込むべきなのかどうか。
明らかに教員と学生では非対称性がある。だからこそ微妙な距離の保ち方が難しいのだ。